聖跡のご紹介
明治天皇 絵画と聖蹟「第4回 二条城太政官代行幸」
明治元年(1868)2月3日、明治天皇は太政官代が置かれた二条城に行幸されました。太政官代は江戸幕府に代わる新政府の中枢機関です。江戸時代の歴代天皇は御所の外に出ることは極めてまれで、明治天皇ご自身も初めての行幸でした。葱華輦(そうかれん)という御輿(みこし)に乗られた天皇は親王・公卿・諸侯を従え、京の街中をゆっくりと進まれました。
この行幸は、戊辰戦争のさなかのことです。前将軍の徳川慶喜は、行幸の50日前までこの二条城に滞在していました。二条城に着いた天皇は、有栖川宮熾仁親王(たるひと)を東征大総督に任じ、江戸に残る旧幕府軍を追討するよう命じられたのでした。
二条城は、京都における徳川家の居城として初代家康が築いた城で、108代後水尾(ごみずのお)天皇が行幸するなど、江戸初期において朝廷と幕府とを結ぶ舞台でした。
現在の本丸御殿は京都御苑にあった桂宮御殿を移築した建物で、明治28年の明治天皇の行幸の折、庭園が作庭されました。天皇が通られた東大手門は現在、城の入口として保存され、修学旅行生をはじめ年間約150万人におよぶ観光客を迎え入れています。
*聖蹟に行ってみませんか*
〔二条城〕京都市
世界遺産の二条城には、現在も二の丸御殿をはじめ数々の歴史の舞台が保存されており、有料で一般公開されています(休城日有り)。
■問い合わせ:075−841−0096
聖徳記念絵画館壁画「二条城太政官代行幸」(小堀鞆音画)
明治元年2月3日(1868年2月25日)二条城東大手門(京都)
拡大してみる別ウインドウで開きます
現在の二条城東大手門(提供 元離宮二条城事務所)
- 明治天皇聖蹟
- 第29回/内国勧業博覧会行幸啓
- 第28回/女子師範学校行啓
- 第27回/皇后宮田植御覧
- 第26回/富岡製糸場行啓
- 第25回/皇后冊立(こうごうさくりつ)
- 第24回/大葬(たいそう)
- 第23回/凱旋観兵式(がいせんかんぺいしき)
- 第22回/靖國神社行幸
- 第21回/下関講和談判
- 第20回/広島大本営軍務親裁
- 第19回/憲法発布観兵式行幸啓
- 第18回/枢密院憲法会議
- 第17回/岩倉邸行幸
- 第16回/山形秋田巡幸鉱山御覧
- 第15回/畝傍陵親謁(うねびりょうしんえつ)
- 第14回/奥羽巡幸馬匹御覧(おううじゅんこうばひつごらん)
- 第13回/徳川邸行幸
- 第12回/侍講進講(じこうしんこう)
- 第11回/京浜鉄道開業式行幸
- 第10回/廃藩置県
- 第9回/神宮親謁
- 第8回/東京御着輦
- 第7回/農民収穫御覧
- 第6回/大阪行幸諸藩軍艦御覧