聖跡のご紹介
明治天皇 絵画と聖蹟「第8回 東京御着輦(ごちゃくれん)」
明治元年(1868)、明治天皇は東海道を東京へ向かわれます。10月1日、浜名湖に近い白須賀宿の汐見台より太平洋を、4日には大井川の金谷台より富士山を望まれました。9日には相模国の大磯で地曳網漁を御覧になられました。いずれも歴代天皇として初めてのことでした。
13日は江戸城入城の日です。天皇の御一行は品川の行在所より宮中の雅やかな装束を身に着けて出発します。徳川の世が終わり、意気消沈している江戸の人々を思っての計らいでした。
聖徳記念絵画館壁画「東京御着輦」(小堀鞆音画)の絵は、鳳輦(ほうれん)にお乗りになった天皇が江戸城に到着し、二重橋を渡られる様子です。江戸城は東京城と改められ、新たに都と定められました(東京奠都(てんと))。明治という新時代が到来したのです。東北各地では、新政府軍と旧幕府軍の攻防戦がようやく終結に向かいつつありました。
明治天皇は武蔵国の氷川神社を鎮守勅祭(ちんじゅちょくさい)の社としてお定めになります。28日に行幸され、関東の神社における最初の親祭を執り行われました。
*聖蹟に行ってみませんか*
〔二重橋(皇居)〕 東京都 千代田区
皇居正門にある鉄の橋です。手前に架かる橋ではなく、奥に見える橋が二重橋です。かつては木造橋でしたが、
昭和39年に今のものに架け替えられました。木造の時の橋桁が上下二段に架けられていたために、二重橋と呼ばれるようになりました。
■東京メトロ千代田線「二重橋駅」より徒歩5分